港区の納骨堂「強制競売手続き」報道から考える|永代供養を選ぶ前に確認したい5つのこと

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 2026年7月、東京都港区にある大型のビル型納骨堂が、資金繰りの悪化によって差し押さえられ、強制競売手続きの開始決定を受けたと、東京新聞デジタルが報じました。同紙によると、経営許可を出した港区は6月、「遺骨の行き場所がなくなる可能性がある」として、運営法人に行政指導を行ったとされています。この報道を見て、改めて考えさせられたことがあります。https://www.tokyo-np.co.jp/article/503878

 それは、「永代供養」という言葉だけで、その場所が将来も同じ状態で残ると考えてはいけないということです。厚生労働省の指針では、「永代供養墓」には確立された定義や慣習がなく、供養や管理の内容は施設によって異なるとされています。つまり、「永代」と書かれていても、建物や墓所、庭園が永久に同じ状態で残り、現在と同じ管理が続くことまで保証されているわけではありません。実際の供養や管理は、行政から許可を受けた経営主体と、清掃・修繕などを担う管理体制が継続することで成り立っています。

清掃や植栽の手入れ、建物の修繕には、人手と費用が必要です。どれほど立派な納骨堂や、美しく整備された一般墓・樹木葬であっても、その状態を10年後、20年後まで維持するためには、安定した運営と継続的な管理が欠かせません。

墓地・納骨堂の経営許可とは

 墓地や納骨堂、火葬場を経営するには、「墓地、埋葬等に関する法律」に基づき、行政の許可を受ける必要があります。原則として都道府県知事、市や特別区では市長または区長が許可を行います。行政は管理者に報告を求めるほか、公衆衛生その他公共の福祉の見地から必要がある場合、施設の改善、使用の制限や禁止、経営許可の取り消しを行うことができます。つまり、墓地経営許可を取得しているかは、最初に確認すべき大切な条件です。流山市の樹木葬「彩華」は、運営主体である宗教法人法栄寺が、2025年12月12日付で流山市から墓地経営許可を受けています(流山市指令第2034号)。株式会社ミチスジは、販売や日常の管理をサポートしています。

しかし、今回報道された納骨堂も、港区から経営許可を受けていました。許可を取得していることと、将来にわたって経営や管理が安定して続くことは、分けて考える必要があります。厚生労働省も、墓地経営について、許可時に安定性・永続性・非営利性を確認するだけでなく、許可後も経営状況を確認し、継続的に指導監督する必要があるとしています。

永代供養を選ぶ前に確認したい5つのこと

 今回の報道と厚生労働省の指針を踏まえ、私がお墓を選ぶ際に確認していただきたいと考えるのは、次の5点です。

1.墓地経営許可を受けているのは誰か
 販売会社ではなく、行政から許可を受けている正式な経営主体を確認します。

 ※厚生労働省の指針では、墓地の経営主体は地方公共団体が原則とされ、これによりがたい場合でも、宗教法人または公益法人等に限るという考え方が示されています。具体的な許可基準や申請手続は、自治体の条例等によって異なります。

2.土地や建物を誰が所有しているのか
 経営主体と土地・建物の所有者が異なる場合は、その関係も確認しておくことが大切です。

3.購入後の管理を誰が続けるのか
 清掃、植栽の手入れ、建物や共用部分の修繕を、誰が担うのかを確認します。

4.管理や修繕に必要な費用をどう確保するのか
 管理費の有無だけでなく、長期的な修繕や維持管理について、具体的に説明を受けておきます。

5.運営を続けられなくなった場合、遺骨はどうなるのか
 経営主体の変更や施設の閉鎖などが起きた場合の遺骨や契約の扱いも、確認しておく必要があります。今回の事例だけをもって、ビル型納骨堂や永代供養墓、樹木葬そのものが危険だということではありません。ただ、お墓は、購入した瞬間だけを見て選ぶものでもありません。

完成したばかりの施設がきれいに見えるのは自然なことです。本当に確認したいのは、誰が運営し、誰が管理し、10年後、20年後も家族が安心してお参りできる場所として維持していけるのかということではないでしょうか。

まず、必要な墓地経営許可を取得しているか。

そのうえで、許可取得後も管理を続けられる体制があるか。

現在の見た目や価格だけではなく、購入後の管理や運営の継続性まで確認することが、これからのお墓選びでは、より大切になっていくと私は考えています。


引用・参考資料

[1]東京新聞デジタル
「永代供養のはずが…都心のビル型納骨堂、資金繰り悪化で差し押さえ 強制競売なら遺骨の行方はどうなる?」
2026年7月27日掲載。

[2]厚生労働省
「墓地、埋葬等に関する法律の概要」
墓地・納骨堂・火葬場の経営許可や、行政による報告徴収、改善命令、許可取り消しについて掲載。

[3]厚生労働省
「公益法人制度改革に伴う『墓地経営・管理の指針』の解釈等について」
墓地経営の安定性・永続性・非営利性と、許可後の継続的な指導監督について記載。

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株式会社ミチスジ代表、奈雲祐稀と申します。学生時代からお墓やご供養に関する情報を発信し、その情熱が今日の会社設立へと繋がりました。私たちは、お墓の紹介、樹木葬の開発、寺院向けサービスを通じて、ご供養の新たな形をご提案しています。

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